汚職の影響、それとも民主の風!!

政令市長選で4月以降、名古屋市、さいたま市に続いて民主党が三連勝。千葉市民の選択は、次期衆議院選挙にどう影響するか。
31歳現役最年少政令指定都市長誕生、熊谷新市長、市議会2年、情報通信会社社員。
代々、 千葉市長候補を決めてきたのは、自民党でなければ公明でもない。1970年、助役から立候補した荒木和成氏に対して、自民党は県議を担ぎ敗北。以降、自民 党候補者選びにはノータッチを続けてきた。荒木氏の死後、官僚出身の松井旭助役を、民社党系・連合千葉(旧川鉄)が擁立し、6期に渡り市長を務めた。その 後、後継者鶴岡啓一氏も助役官僚出身として2期勤め、鶴岡前市長の引退表明を受け、副市長林孝二郎氏が後継者として出馬表明をした。
告示約一ヶ 月前、無風で市長選出馬表明していたのは、林氏のみであった。ところが、4月下旬に前市長が収賄容疑で逮捕され情勢は一変した。民主党は、3月の知事選で 推薦候補が敗れた影響などで、市長の候補者を擁立できずにいた。そこには擁立できない最大の理由があった。民主党を支援している連合千葉がいち早く林氏を 推薦していたためだ。民主党千葉県連は、柵の無い31歳熊谷市議をやっと一ヶ月前に擁立した。民主党の判断を褒めるべきである。
千葉市では伝統 的に、(旧)川鉄労組や市職労に代表される連合千葉、市OBらの三者がスクラムを組み、官出身の市長を誕生させ、自民・公明は推薦するのみであり、選対に も入れない有様であった。自民党の市議など、「林イコール鶴岡後継」というイメージが悪く、選挙に戦えない、総選挙にも悪影響を与えるという意見があるに も関わらず、「後継者を差し替える」という勇気も決断も無かった。今まで伝統的スクラムを断ち切れなかった自民に対して、マスコミと千葉市民が断ち切っ た。
投票率は、前回を上回る43.50%で過半数にも達していない。31歳新市長は、今後どの様に千葉市に責任が持てる行政を実現するのか。
今回の千葉市長選で、総選挙に影響は出ない。今回の選挙は、汚職の影響と、伝統的な官出身市長擁立に、千葉市民がメスを入れたのである。